代表者プロフィール

ある日
いつもの様に刷毛の掃除をしていた時のことです。
充分に使い込んだ刷毛でしたので
【もうこれは使えないだろう。。】と勝手に判断して
数本ごみ箱に捨てました。
そのまま帰ったのですが、次の日会社に行くと親方が怒っています。
【何があったんだろう？】と思っていると、
昨日、私が捨てた刷毛が机の上に並べてあります。
『これを捨てたのは誰や』
私は恐るおそる 
『・・・・僕です』と言いました。 
『この刷毛は、今までお客さんの家を何軒も塗ってきた。
確かに使い込んでいるけど、これから先も何軒も塗れる。
「キレイになった」とお客さんに喜ばれ、そのお陰で従業員みんな
ご飯が食べていける。大事な道具を粗末にしたらあかん』
 
怒るわけでもなく淡々と諭すように言い聞かすのでした。
 
もう20年も前の事ですが、
あの時、私の不手際を注意してくれた親方には今でも感謝しています。

創業してから13年、
ありがたい事に一般のお客様・工務店さん・他業種さんからお声がかかる様になりました。
 
当然『現場の下調べ』や『見積書の作成』は自分自身がしており
現場で作業できない日も少なくはないのですが、
車の移動で一日中運転していたりPCを前に書類を作っているよりも
現場で作業している方がずっと性に合っています。
 
可能な限りは机の上の作業は夜にまわし昼間は現場にでる様にしています。
体はその分キツイのですが現場で刷毛を持って塗っていると
『やっぱり現場はいいな』と心底感じています。 

塗装は建築の中でも『仕上げ業』の部類に入ります。
 
時間をかけて塗った後に
『完成した現場を眺める』と仕上げ業特有の感覚かもしれませんが
仕上がった後の爽快感・充実感はどれだけ現場をこなしていても格別です。
工事が終わって、お施主様に
『本当にきれいになった ありがとう』
と言っていただけると、この仕事をしていてよかったと日々思うのです。
 
 
あの時私の不手際を注意してくれた親方は、
 
 
『物を大事に使うこと＝（イコール）お客様を大切にする気持ち』
を忘れるなと言いたかったのかな と思います。
 
今では若い従業員に同じことを言っている自分がいます。
 
この気持ちで仕事をするからこそお客様を大切にする気持ちまた、
より丁寧に仕上げようという責任感も湧いてくるのです。
 
これからもお客様の目線に立って
日々の仕事を精一杯していきたいと思っています。